広い測定レンジと精度保証


一般的に、測定レンジの広いことが特長のレーザ回折/散乱式の粒子径分布測定装置の中でも、HORIBA製レーザ回折/散乱式の粒子径分布測定装置 Partica LA-960V2は、0.01 μm(10 nm)~5000 μm(5.0 mm)と非常に広いダイナミック測定レンジを持っています。そのため、下に示すようなさまざまな材料を1台で測定することができます。また、粉砕過程や凝集物の確認にも特にこの広いダイナミックレンジが活躍します。Partica LA-960V2は、この広いダイナミックレンジのほぼ全領域にわたって、1台1台出荷検査を実施しているため、すべての装置において精度が保証されています。



さまざまなサンプル形状の粒子測定・粒子解析が可能

 

材料を希釈せず、高濃度での分散状態を見たい

高濃度セルユニット

原液(希釈なし)または原液に近い状態で測定できます。さまざまな試料濃度での測定も可能です。

■  極力希釈せずに測定したいインク・塗料・顔料・エマルション
■  二次電池の正極材・負極材など
■  濃度による凝集状態変化の観察など

ペーストセルユニット

原液(希釈なし)または高粘度溶媒に分散させた試料を測定できます。

■  高粘度試料やポリマーに分散させた微粒子
■  磁性粉体: 高粘度オイルに分散させ、再凝集を防いで測定可能。

画像解析セルユニット(本体内蔵型)

装置に内蔵、測定中の粒子の状態を簡単操作で観察できます(9~1000μm)。

■  フロー測定の流路を観察

■  少量の粗大粒子、凝集粒子の存在確認

■  形状確認と解析

■  泡の混入の有無の確認

凝集した粉体や造粒粉を壊さず測定したい

乾式測定ユニット

粉末状態のまま測定できます。自由落下での非分散測定、圧縮空気を用いた強制分散測定の両方に対応しています。

■  水に溶けやすい食品原料、医薬品、粉洗剤、染髪料など
■  粒子を集めて固まり状に加工された顆粒や造粒粉
■  水や溶媒に分散させると膨潤するポリマーや樹脂
■  撥水コーティングされた粉末

● 低付着シューター

表面に電解メッキ(ニッケルフッ素樹脂コーティング)を実施。ステンレス製では試料が付着してしまうなど、振動で供給しにくい試料向けのシューターです。

● 吸引サンプラー

試料を直接吸引するためのサンプラーです。微量試料を測定する場合に使用します。サンプリングテーブルが付属しています。


少ない試料量で測定したい

バッチ式セルユニット

超微量試料や、測定後に試料を全量回収したい場合など、溶媒を最小限に節約。最少容量5 mLから測定できます。
セルオプション: 5 mL、10 mL、15 mL

■  測定後に全量回収が必要な希少試料、貴金属や医薬品
■  揮発性の高い溶媒を用いた測定
■  試料量が限られた標準粒子など

ミニフロー・小容量循環システム

試料の分散媒量35 mLでのフロー式測定が可能。分散媒に有機溶媒を用いる際にお薦めです。超音波プローブや、分散媒の自動注入ポンプも標準装備。
[測定レンジ] 0.01〜1000 μm、有機溶媒対応


■  顔料や塗料材料、文房具用インクなど、有機溶媒に分散させた試料
■  医薬品や食品・染料など水に溶解しやすい、有機溶媒に分散させた試料
■  燃料・潤滑油など、オイル系溶媒に分散させた試料

溶媒として、水系と有機溶媒系の両方を用いるときにも、ミニフローユニットを使用することが非常に有効です。 溶媒の種類を切り替える際には、コンタミを避けるために十分に循環系の洗浄(リンス)を行う必要があります。 特に、水系から有機溶媒系に切りかえる際は、完全に残留する溶媒がなくなるようにするために、 多大な時間と大量の溶媒を使用します。

ミニフローユニットを用いれば、水系をLA-960V2付属の循環系で循環させて測定し、 有機溶媒系で測定する際はミニフローユニットの循環系を用いて循環させて測定することができます。 こうすることで、水系と有機溶媒系の循環系を全く別の流路としつつ、同じ光学系を用いて測定することができ、 洗浄時間の短縮や洗浄用溶媒の削減に加えて、溶媒の差異による粒子径の変化などの把握にも役立てることができます。 また、有機溶媒での測定をミニフローユニットを用いることで、測定に使用する溶媒量を減らすこともできます。

さらに少量の試料測定や、試料を全量回収する場合、または分散媒を最小限に節約したい場合などにはバッチセルユニットが有効です。最少容量は5 ml で、10 ml と15 ml の容量のセルでは、スターラーによる試料の撹拌が可能です。



特殊な条件下で測定したい

温調セルユニット

実際の環境と同じ条件で測定できる、温調機能を実現。

■  バイオサンプルの温調測定
■  熱によって変化する粒子径分布の確認
■  イオン性・非イオン性の温度による効果確認

スプレーユニット

気相中の液体や固体粒子の大きさを測定できます。

■  スプレーノズルや効率の研究・開発
■  インヘラー型医薬品、スプレー型点鼻薬


多検体を自動で測定したい

オートサンプラ(スラリー状試料用)

スラリー状の液体試料も、攪拌した上で自動サンプリングできます。

オートサンプラ(乾燥試料用)

取り外し可能な試料カップを24個搭載した、回転テーブル式の自動サンプリングシステム。

粉末粒子径自動分析はこちら


高精度、高感度で最小20 ナノの標準粒子測定を実現


Partica LA-960V2では、焦点精度の高いレーザ光に加え、短波長の LED 光源を用いることで、微粒子の検出感度を向上させています。 下に散乱パターンの例を図示します。 0.05 μm と0.07 μm という僅差の微小粒子の散乱パターンを比較しました。レーザ光(λ=650 nm)を照射した散乱パターンには、どの検出角度においても、差が顕著に得られません。しかし、LED(λ=405 nm)を照射すると、わずか20 nmの粒子径差にも関わらず、これほど明確な差が検出されます。これが、ワイドレンジ高精度測定を可能とする測定器に、波長の異なる光源を採用する最大のメリットです。 それぞれの光源による散乱光を測定毎にモニタし、検出器が効率よく配置されているため、0.01~5000 μm のダイナミックレンジがシームレスに測定できます。


試料注入から洗浄まで、わずか60秒の全自動測定



Point1. 優れた再現性

サンプリングから洗浄、データ表示を1分間以内で行うには、再現性の高い循環システムが最も重要な要素の一つ。分散媒注入用ポンプは標準装備されており、測定や洗浄時の注入はソフトウェア上の「注入」コマンドをクリックするだけで、瞬時に循環系が満たされます。 液面センサによって、指定した分散媒量を正確に注入します。

Point2. 高いパフォーマンス

ドレインには、効率良く循環系内すべてのサンプルや溶媒が排出されるように、配管の傾斜や曲がりを設計しているため、リンス効率が高く、スピーディかつ確実な作業が行われます。




レーザ回折/散乱式の粒子径分布測定装置 Partica LA-960V2