1. カラーコンフォーカルシステムを用いて、放電過程のリチウムイオン電池の表面を観察
  2. ファイバーラマンシステムを用いて、負極・正極のラマンスペクトルを測定
カラーコンフォーカルイメージ
カラーコンフォーカルイメージ

 

負極の色は、3.855Vでは赤色を呈し、放電にともない次第に青色に変化し、3.682Vで赤色の部位は消失した。一方、正極については、色の変化は認められなかった。


ラマンスペクトルは、負極(グラファイト)および正極(コバルト酸リチウム)の一粒子にレーザを照射して測定した。
スペクトルには、電解液のラマンスペクトルも同時に観測されている。
着目したグラファイトのGバンド、およびコバルト酸リチウムのラマンバンドを図中矢印で示す。


[負極]
粒子の色が赤から青に変わるにつれ、
1. 1600cm-1付近にピークが現れる。
2. 放電に伴いこのピークは鋭くなり低波数にシフトする。
3. 2.870Vまで放電すると、典型的なグラファイトのGバンド(1580cm-1)に戻った。
充電状態では、低波数(150cm-1)に特異なピークが存在するが、放電し、粒子の色が完全に青に変わると消失する。


[正極] 
放電にともない、コバルト酸リチウムのラマンバンドが現れ、次第に強度が強くなった。

放電時にリチウムイオンが正極に移動し、減少していく反応過程において、負極および正極中の一粒子を特定してラマンスペクトルの変化をとらえることができた。負極においては、色の変化に対応したラマンスペクトルが測定できることがわかった。
充電時にはグラファイトのGバンドは消失し、150cm-1付近に特異なピークが出現する。
正極での観察像では明瞭な色の変化は認められないものの、ラマン分光では、充電時にコバルト酸リチウムのラマンバンドが消失することが観察できた。


当アプリケーションノートは以下より抜粋しています。
リチウムイオン電池の充放電による、電極の色の変化とラマンスペクトルの変化を In-Situで同時に観察