近赤外蛍光分光光度計 FluoroMax Plus

概要

紫外~近赤外領域までを1台の装置で分析可能

2つの検出器を搭載可能にした近赤外蛍光分光光度計「FluoroMaxシリーズ」の最新機種

フォトンカウンティングを採用した高感度測定を実現できる蛍光分光光度計です。オプションにより様々な機能拡張が可能です。2つの検出器を搭載し紫外から近赤外までの測定を容易にした近赤外蛍光測定、蛍光寿命測定ユニットの追加によるサブナノ秒の蛍光寿命測定、反射効率の高い壁面を採用した積分球を用いた量子収率測定、クライオスタットなどの温調器を搭載した温度依存性測定なども可能です。デスクトップタイプでありながら様々なお客様のご要望にお応えできる多機能型蛍光分光光度計です。

特長

  • フォトンカウンティング法による高感度測定(SN 比(FSD)= 5000:1)
  • りん光スペクトル取得可能な発光寿命は50 マイクロ秒~
  • 蛍光寿命測定機能のアップグレードが可能
  • 各種温調、偏光測定、積分球など充実したオプション


■高感度蛍光スペクトル測定例

1pMと500fMのフルオレセインの蛍光スペクトル

極希薄フルオレセイン溶液の蛍光スペクトルを取得。ASTMで規定された計算方法では19fMまで検出可能です。

1pMと500fMのフルオレセインの蛍光スペクトルデータ

*ASTM Committee E-13 on Molecular Spectroscopy (ANSI/ASTM E579-76)

 



■近赤外蛍光スペクトル測定例

ローズベンガル( メタノール中)によって生成された一重項酸素の近赤外りん光スペクトル

一重項酸素は、ガン治療などの光源力学療法で活用されていますが、発光強度が弱く、近赤外で発光するため検出が困難です。近赤外検出器を搭載した近赤外蛍光分光光度計「FluoroMax Plus」 なら、容易にスペクトルを取得できます。

 

ローズベンガルにより発生させたアセトン中の一重項酸素の発光
減衰曲線(赤)とフィッティングカーブとの残差(緑)

 



■りん光スペクトル測定例

ウシ血清アルブミンと塩化テルビウム混合物のりん光減衰曲線と各時間におけるりん光スペクトル

ウシ血清アルブミン(BSA)と塩化テルビウムのこの混合物のような複雑な溶液は、発光スペクトルの解釈が難しい場合があります。 りん光オプションのパルス光源を使用すると、Tb3+りん光のみを残し、BSAの蛍光を一時的に遮断することによりTb3+のみのりん光スペクトルを得ることができます。 グラフ中の図は、この混合物におけるTb3+の単一波長りん光減衰曲線を示しています。 ●印の色は発光スペクトルの色に対応しており、それぞれのりん光寿命の発光スペクトルを確認することができます。このりん光オプションを使用することにより0.1ms未満のりん光寿命を持つ物質のりん光スペクトルを取得できます。

ウシ血清アルブミンと塩化テルビウム混合物のりん光減衰曲線と各時間におけるりん光スペクトルデータ

 



■蛍光寿命測定例

100psを切る蛍光寿命を測定可能

DeltaTime™TCSPCアクセサリを使用して、FluoroMax Plusに発光寿命測定機能を追加します。発光寿命測定では、濃度や光退色の悪影響を取り除き発光を評価することができます。 業界トップクラスの100MHzシステム動作により、すべての発光減衰をわずか数ミリ秒で取得することが可能なため、高速反応のTCSPCライフタイムキネティクス観察が可能になります。 また採用されている水晶ロックタイミング回路は、再校正が不要です。測定に使用するパルス光源は70を超え、随時追加されています。

下の図はオプションの超高速PPD検出器を使用して測定されたメタノール中のローダミン6Gの寿命。 高濃度では、自己消光はホモ二量体と三量体の形成に起因します。 75 psの短い寿命が見られ、低濃度のホモFRETも見られます。

メタノール中のローダミン6Gの寿命データ



近赤外蛍光分光光度計 FluoroMax Plus


製造会社: HORIBA

仕様

項目

仕様

励起光源

UVキセノンフラッシュランプ

光学系

全反射型(微小サンプルでも全波長でフォーカシング可能でかつ正確なイメージングが可能)

分光器

標準で励起側、発光側にそれぞれシングルモノクロメータを配置
F値 3.5、刻線数 1200 grv/mm キネマッティック ルールドグレーティングを配したツェルニーターナデザイン
波長分解能:0.3 nm
最大スキャン速度:200 nm/s
波長精度:±0.5 nm
ステップサイズ:0.0625-100 nm
範囲:0-950 nm
グレーティング: 励起側 330 nmブレーズ(220-600 nm 光学範囲)、蛍光側 500 nmブレーズ(290-850 nm光学範囲)

試料室

はめ込み型の各種サンプル試料台アセンブリーに対応

検出器

■励起側
200-980nm対応 励起リファレンス補正用フォトダイオード
■発光側
【標準】(短波長側の範囲は拡張可能)290 - 850 nm(290 - 960 nm タイプに置換可)
【追加搭載近赤外検出器】950 - 1400 nm,  950 - 1700 nm, 800 - 1550 nm, 1000 - 1900 nm

感度

再蒸留、脱イオン水(ICPグレード)水のラマンスキャン S/N 6000:1(FSD) 
発光波長:397nm、バンドパス 5nm、積算時間1s、バックグラウンドノイズ取得波長(450nm)

積算時間

0.001-160s

スリット幅

コンピュータ制御による自動連続開閉可能。バンドパス範囲 0〜30 nm

装置寸法(標準仕様)

幅82.6cm X 奥行48.3cm X 高さ26.7cm、重量34kg

試料室寸法

幅14.0cm X 奥行17.8cm X 高さ17.8cm、サンプル室は取り外し可能

環境温度

15-30℃

最大湿度

75%

電気系

5A,100V(日本標準仕様), 50Hz

りん光測定モード

励起光源

UVキセノンフラッシュランプ

フラッシュレイト

0.05-33 Hz

フラッシュ後ディレイ

50 μs〜10s±1 μs(1 μsステップサイズで)

 

 

 

測定原理

りん光スペクトル測定原理

りん光の測定においては、ユーザー指定の遅延時間とサンプルリング時間に同期したパルス光源で励起されるりん光分光ユニットが、時間分解スペクトルデータを提供します。

遅延時間を適切に設定することにより、蛍光の妨害を受けることなくりん光スペクトルだけを得ることができます。時間の設定によっては測定対象のりん光が試料にとって関係のない物質からの強烈な蛍光に妨害されるので、遅延時間の設定は特に重要です。
また、時間分解測定ソフトはりん光減衰カーブを測定し、りん光寿命を求めることができます。

蛍光測定モード(キセノンランプ設定)からリン光測定モード(キセノンフラッシュランプ設定)にソフトウェア上で簡単に切換えができます。
これによりさらに測定の幅が広がります。

蛍光寿命測定

TCSPC(時間相関単一光子計数)方式による蛍光寿命測定ユニットはFluoroMax Plusのユニークなオプション機能のひとつであり、ナノ秒オーダーの蛍光寿命を迅速かつ精確に測定することができます。この測定には装置外部に後付け可能なパルス光源(半導体レーザ・発光ダイオード)が別途必要になります。TCSPC方式による蛍光寿命測定の利点は、以下に示すとおりです。

  • 励起光強度の変動には影響されない
  • ボックスカーゲート方式のようなパルス・スミアがない
  • 減衰データの高速測定が実現
  • 減衰カーブフィッティングにより5寿命成分までの解析可能

ストロボスコープ方式のようなシステム誤差は、TCSPC方式では発生しません。TCSPC方式では、ローレベルのノイズが排除され、ハイレベルのシグナルのみを効率よく検出することができるので、このような誤差の発生を防ぐことができます。TCSPC方式では、ポアソン統計により各チャネルにおける標準偏差を確実に推定することができます。

近赤外検出器レパートリー

蛍光分光光度計FluoroMax Plusには下記のレパートリーの検出器があります。

近赤外検出器レパートリー